商社系営業のポイント

今回は商社系の営業として働いている人の声を拾い、仕事の内容ややりがい、悩みなどをお伝えしていこうと思います。尚、この記事は僕がこれまで求人広告の仕事で関わってきた、たくさんの商社に勤める営業から聞いてきた事実を元に構成。信憑性は高いと思います。

仕事データ
向いている人 人と話すのが好きな人、変化のある商材を扱いたい人向け、自分の力量に合った仕事をこなしたい人向け、商品開発にも興味がある人、結果を評価される事に喜びを感じる人
向かない人 人と接するのが苦手な人、日々目まぐるしく変わる環境を良しとしない人、数字目標を課せられるのが嫌いな人、売る事に喜びを感じれない人
年収の目安 大企業だと年収1000万円以上、中小企業だと年収700万円前後
やりがい ①会社への貢献度が収入に還元される
②自分の力量次第で仕事がどんどん大きくなっていく
③商材が豊富のため、顧客にとって最善の提案を自分の考えで行う事ができる。
大変なところ どれだけ忙しくても結果主義の会社だと収入が増えない。体育会系の企業が多いので、売れなければ上司に叱れるのが当たり前の世界。
転職難易度 大企業はかなり難易度が高く、転職するのはかなり難しい。中小企業は面接の印象が左右するため、人当たりの良い人は採用されやすい。逆に第一印象で暗い印象を与えてしまうような人は転職難易度がかなり上がる。そもそも商社系の求人はあまり世に出ないので、それも踏まえると転職難易度は営業の中でもトップクラスです。

商社の事業をまずは理解しよう

商社の営業の仕事内容

商社といってもいくつか種類があり、大きく分けると2つの分類に分けられます。総合商社と専門商社です。
まずはそちらの違いを解説していきます。

総合商社とは?

総合商社は幅広い商材を取り扱っているのが一番の特徴です。
何千、何万もの商材を顧客に提案し、事業貢献する事が主な役目となりますね。日本の総合商社と言えば、『三菱商事』『伊藤忠商事』『三井物産』『丸紅』『住友商事』『豊田通商』『双日』です。
いずれも知名度の高い大企業なので、きっと聞いた事がある人もいるでしょう。
実はこのように総合商社として事業を確立させている企業は少ないのです。しかも中小企業はほとんど参入してこないため、基本的に先ほど挙げた7社がいわゆる総合商社といわれるポジションです。扱っている商材は資源や物資、機械、食品、衣料品、薬品など、とにかく幅広いので言ってみれば『何でも屋』といった感じですね。

専門商社とは?

その名の通り、ある特定の分野や、特定の商材のみを取り扱う商社です。
事業の強みとしては、総合商社が取り扱っていない専門性の高い商材を武器にする事で差別化を図っているという点。
事業規模では到底、総合商社には及びませんが、特定の商材のスペシャリストとして企業に大きく貢献する事ができます。
総合商社はあまり求人が世に出ないので、商社で働きたいと思っている方の多くは専門商社を選ぶ事になるかと思います。

商社はトレードビジネスが中心

では、商社は実際にどんな仕事をするのかを解説していきます。
事業の仕組みとしては、『商品を企業から仕入れ、その商品を顧客に売る』というものですが、これだとただの転売屋ですよね。ではどこが違うかというと、『仕入れて売る』というプロセスの仲介をすることです。
分かりやすく説明すると、商品を売りたい企業と商品を必要としている企業の橋渡し役です。
ここの間に入る事によって仲介手数料を貰うビジネスとなっています。

メーカー営業との違いを解説

メーカーの営業と違うところは自社製品を取り扱っているかいないかです。
商社は専門商社だろうが総合商社だろうが様々な商材を取り扱うので、本当に顧客のためになる提案をする事ができます。
逆にメーカー営業の場合、営業として売らなければならないのは自社の製品ですから、自分の中で『競合製品の方が良い…』と思っていても、自社製品を売らなければならないのです。
それを考えると、商社の営業はよりお客様のニーズに応えられる仕事と言えます。

商社で働く営業の業務内容

商社営業

商社の事業を理解したところで、次はそこで働く営業の仕事内容を詳しく解説していきます。
基本的に取り扱う商材の分野によって仕事内容は異なります。
代表的な分野を挙げると、化学品、鉄鋼、食品、電子機器・半導体、エネルギー、機械、繊維、アパレルといったところ。
分野によって行う業務は異なるものの、営業としての業務は基本同じです。ニーズのある顧客に商材を提案する、大枠はこれです。細分化すると…

  • 商材提案
  • 資料作成
  • 商品開発
  • 新規開拓営業
  • 商品企画
  • 仕入れ業務
  • 人材育成
  • 広報
  • 見積書作成
  • 事業計画
  • 接待

といった感じですかね。
商社の業務は多岐に渡るので、ここに記載していない事も多くあると思います。
また、メーカー営業などと比べて出張が多いのも特徴。
場合によっては海外出張をする事もあるでしょう。企業の事業発展のために様々な企画を行い、提案し、時には商品開発も行うこの仕事は決して楽な仕事とは言えませんが、その分やりがいも大きいようです。

商社で働く営業のやりがい

どの営業にも共通する事ですが、自分の提案が受注に繋がり、その対価としてインセンティブや歩合に反映されるのは営業ならではのやりがいです。
また、お客様の事業に貢献していく仕事でもあるので、担当顧客の規模が拡大していくのが実感できるのも大きなやりがいの一つです。ここまでやれるとお客様の成長だけでなく、自分の成長も実感する事ができますし、大きな成果を生み出す事ができれば今後転職する時にも有利になると思います。

例えば…

拠点が1つだけの顧客を担当し、その企業がゆくゆくは上場を果たした時、職務経歴書に「●▲株式会社の事業を発展させ、上場するまでに貢献できました」と堂々と書く事ができます。
営業としてのやりがいを感じながら自分も磨ける仕事と言えるでしょう。

商社系の営業に向いている人

向いている人

商社の営業に向いている人は以下の通りです。

  • 人と接するのが好きな人
  • お客様に貢献する事に喜びを感じられる人
  • 自分の努力次第で収入UPを狙える仕事がしたい人
  • 押しつけ営業ではなく、顧客のためになる営業スタイルを求めている人
  • 人脈を増やしたいと思っている人
  • 数字目標に苦を感じない人
  • 色々な世界を目にしたい人

これらに該当する方は商社系の営業に向いていると思います。
また、入社後も活躍しやすい傾向にあります。

商社系の営業に向いていない人

向いていない人

商社の営業に向いていない人は以下のとおりです。

  • 人と接するのが苦手
  • 交渉するのが得意じゃない
  • 数字目標を追うのが嫌な人
  • 清潔感のない人
  • プライベートの時間を第一に考えている人

主にこのあたりになるかと思います。営業職全般に言える事ですね。
尚、企業によって異なりますが、商社系の営業は出張が割と多いですし、残業も多い職種です。
自分の時間を大切にしたい方にとってはあまり向いていないかもしれません。

商社に勤めている営業がこの仕事を選んだ理由を紹介

僕が求人広告を作る際のインタビューで、実際に商社に勤める営業にこの仕事を選んだ理由を聞いた事がありますのでそちらも紹介します。

  • 人間力を活かせる仕事がしたかった
  • 色々な世界を見れそうだったから
  • 毎日不特定多数の人と出会い、同じ内容の仕事を繰り返さない業務がしたかった
  • じっとしているよりも動く仕事がしたかった
  • 人と交渉するのが好きだったから
  • 単純作業は向いていないので自分で考える仕事がしたかった

商社の営業職でよくみられる不満・悩み

商社営業の不満

商社に勤める営業の不満・悩みは主に以下のとおりです。

  • 景気に左右されやすく、将来設計がしにくい
  • 数字管理があるので文系出身の自分には辛い。理系が有利。
  • 個人の数字成績が重要なのでチームワークを重視している自分にとっては苦痛。
  • 数字を追うのに疲れた。
  • 上司から数字の事で詰められるのが精神的苦痛
  • 成果と対価が見合っていない
  • 長く続けられる仕事じゃない

まとめ

商社での営業を検討している方は、まず自分に合っているかどうかを見極める事が重要。幅広い商材を取り扱うので、顧客にとって本当にためになる商品をご提案できるのが特徴ですから、とにかく数字成績!という人よりは、お客様のために!と考えられる人が活躍できる仕事です。

交渉スキルも仕事を通じて向上していくので、コミュニケーション能力は人脈を高めたい方には打ってつけの仕事ともいえるでしょう。
逆に人と接するのが苦手な方や、商材の細かいところを覚えるのが苦手という方はこの仕事に向いていないと思われます。

この記事が少しでも転職活動のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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