2020年6月現在も、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。日本も例外ではなく、緊急事態宣言の発出、外出自粛要請が叫ばれるなど、医療や経済をはじめとした多くの業界に影響をもたらしています。そんな自粛要請は僕が所属する求人業界においても、大きな影響をもたらしました。掲載数や応募件数など、日頃から求人に携わる僕だからこそ見えてきたものもあります。そして導き出した一つの答えは、“コロナウイルスの影響があるからといって働くことを諦める必要はない”ということです。これが一体どういうことなのか、僕が実感している数字も交えながらお伝えしていきます。
求人募集をストップする企業が続出
2020年に入ってから、少しずつ影響をもたらし始めた新型コロナウイルス。
2月になるとさらに事態は深刻化し、この辺りから求人を掲載する企業が減少し始めました。
考えられる主な理由としては、各企業が新型コロナウイルスに対する計り知れない影響に懸念があったためでしょう。
これはあくまでも僕の体感ですが、例年の1割程度は掲載が少なかったように感じます。
そして時は流れて4月。日本初となる『緊急事態宣言』が発出されましたね。
パチンコ店や映画館、接待を伴う飲食店など、明確に営業を自粛するよう政府から要請が出されたことで、該当する企業の求人は軒並みストップしたように感じます。
企業の担当者さんからは「募集したいけど、こんな状況じゃできないよね」という声も聞こえてきました。
この時点で掲載数がガクっと落ちたのは、紛れもない事実。
これまで当たり前のように毎週掲載していた企業でさえ、掲載が止まり始めました。
自粛要請が出された業界のみでなく、関連する企業も同じです。
とここまでが、新型コロナウイルスによってもたらされた悪影響の数々です。
でもこんな状況だからといって『仕事が見つからなくても仕方ないか』と諦めることはありません。
というのも僕はあることに気がついてしまったからです!
これから求人件数は増えていく!
3月に入った頃だったと思います、掲載数は若干ではあるものの回復傾向に転じました。
新型コロナウイルスによって仕事を失った方は多く、そういった層が一定数いることを想定した企業が、掲載を再開したためです。
この時期は僕も、「おっ、この企業久しぶりに募集再開するのかぁ」と感じていたのを覚えています。
4月になると大きく掲載数は減少したものの、それでもゼロになったわけではありません。
かなり低い数字ではありましたが、掲載を継続し続けている企業があったんです。
それが、食品業界に携わる企業全般です。かなりザックリになってしまいましたね。
具体的にはスーパーやコンビニといった小売店、そしてそこへ物資を運搬する物流業が該当します。
実際これらの業界は政府の自粛要請対象から外れており、緊急事態宣言下にあっても営業が必要と判断されていたことは言うまでもありません。
掲載数が少ないこともあって余計に目立ったのかもしれませんが、営業さんからも「ここは大丈夫そう(掲載を継続しそう)」と声が聞こえてきたので、気のせいではなさそうです。
またこの頃に掲載している求人に対する応募件数は、普段の10倍以上なんてこともざら。
つまりコロナ禍にあっても人手を必要としている企業は、これをチャンスと捉え募集をかけているんです。
5月になり、緊急事態宣言が部分的に解除され始めました。
今のところかつてほどの掲載数とはいきませんが、少しずつ回復しつつあります。
そして今後この流れは加速していくと、僕は信じています。
経済活動が再開されれば、必ず人手を必要とする場所が出てくるからです。
こちらから仕掛けていきましょう!
今後求人の件数は増えていくとお伝えしましたが、以前に比べて母数が少ないということは忘れてはいけません。
これまでなら採用されていたであろう求人も、ライバルはいつも以上に多くなっています。
例えば毎年4月は、主婦さんや学生さんが動き回る時期というのが例年の傾向でした。
ところが今年はそれも一変。
コロナウイルスの影響で職を失った方や、先行きに不安を感じた方など、いろいろな属性の方々が動きました。
先のことなので断定はできませんが、今後も同じような市場が続いたとしてもおかしくはないでしょう。
それを念頭に置いたうえで、気になる求人を見つけたらとにかく応募する!これが吉。
普通ならいくつか候補の中から厳選したいところですが、今はそうしている内に先を越されてしまう可能性が高いからです。
求人をしていなくてもしている!?
求人の掲載件数は減っています。これは今までお伝えしてきた通りです。
ですがこれはあくまでも、『見た目』の数字の話にすぎません。
実は世の中には、目に『見えない』求人も意外と溢れているんです。
どういうことかというと、僕が企業の採用担当者さんと話しているときのこと。
こんな声が聞こえてきました。
『求人サイトやHPには掲載していないけど、随時募集はしてるよ~』
これが目に見えない求人の正体です。
実際企業の中には、残念ながら採用関連に予算をあまり割かない場所もありますし、採用担当者と言っても多くの場合が兼任。
コロナ禍で業績が振るわないとなれば、ただでさえ割かれていない予算が、さらに締め上げられることは容易に想像がつきますよね。
でもこんな状況だからこそ、見えない求人があることは覚えておいてください。
自粛要請から外れた業界対象のアンケート調査では、多くの企業が『求人掲載はしていないが採用活動は継続している』と回答するデータもあります。
もしかすると、求人は減っているように見えるだけで、実際は人手を必要とする企業はたくさんあるのかもしれません。
『コロナだから無理…』ではなく、『コロナだからできる!』。
この発想の転換で、みなさんの状況が大きく変わることを願っています。