あなたは小売業と聞いて、どんな仕事をパッとイメージしましたか?
百貨店?スポーツ専門店?スーパー?コンビニ?どれも正解です。
では、そこではどんな人たちが働いているでしょうか?
販売スタッフ?店長?アルバイト・パート?…本当にそれだけ?
実は僕たちの目には入ってきませんが、バックヤードで活躍している人たちって意外とたくさんいるんです。
店舗開発やスーパーバイザー、バイヤーなんかもそうですね。
『小売業界で働くのはちょっと…』と思っている方も、どんな職種があって、どんな働き方をしているのかを知ってみて下さい。
するとあら不思議!今まで興味がないと思っていた業界でも、あなたにピッタリの仕事が見つかるかもしれませんよ。
本記事では小売の世界で働く人々に焦点を当てながら、それぞれの仕事内容について、日頃から求人に携わるプロである僕が詳しく解説させて頂きます!
目次
小売業界の代表格といえば『販売スタッフ』
百貨店でも専門店でもスポーツショップでも、必ず僕たちの接客をしてくれる店員さんがいますよね。
あの方たちが、ここで紹介する販売スタッフです。
スーパーやコンビニの店員さんと言えば、もっとイメージしやすいでしょうか。
小売業界で働く人たちの中で最も消費者に近い存在なので、触れるまでもないって?
そういう訳にはいきません!
きっと皆さんが想像しているのって、商品を棚に陳列したりレジでお会計をしていたり、そういうシーンじゃないですか?
もちろんこれも大切な仕事なんですが、実はもっと重要な役目を果たしているんです。
ちょっと想像してみましょう。
あなたは今、いつも買い物をするスーパーに来ています。
品定めをしながらフラフラ~っと歩いていると、主婦たちの世間話が耳に入ってきましたよ。
『ピーマンはあっちのスーパーの方が安いわね』
『あらやだ、ホント?じゃあピーマンは帰り道に寄っていこうかしら』
この何気ない会話を聞いていたのは、あなただけではありません。
うしろを振り返ってみて下さい。いませんか、そこに?商品を陳列する販売スタッフさんが!
そうです。何気な~く働いているように見える販売スタッフさんは、こうしたお客様のニーズに対して常にアンテナを張っているんです。
“そうか、ピーマンの値段はウチの方が高いのか!店長に言わなくちゃ!”
こうなる訳ですよね。
こういう仕事をちょっとカッコつけて言わせてもらうと、マーチャンダイジングと呼びます。
商品やサービスをどうやってお客様に選んでもらうのか?
これを戦略だてる一連の流れをまとめてこう呼ぶのですが、まさにさっきの例は、市場調査ですよね。
お客様の会話からライバル店の価格設定を知り、それに対抗して自社の価格設定に反映させていく。
パッと見は地味な仕事に感じていたかもしれませんが、こうやって聞くとなんだかカッコよく見えてきませんか!?
販売スタッフは小売業界の職種の中でも、アルバイト・パート雇用が断トツで多いです。
簡単にスタートできてやりがいもある仕事なので、ぜひチャレンジしてみましょう!
店舗運営の先生的存在『スーパーバイザー(SV)』
スーパーバイザーっていうと、なんだかカッコよく聞こえますよね(笑)。
よくSV(エスブイ)とも略されたりするんですが、どっちにしても分かりづらい!!!
ということで、ものすごくかみ砕いて説明させて頂きましょう。
記憶をず~っとさかのぼって頂きまして、小学生の頃を思い出してみて下さい。
“テスト”って定期的にありましたよね?
まぁ予習・復習なり、テスト対策をして本番に挑むわけですが、上手くいかない時だってあったはずです。僕はありました(笑)。
思うように点数が取れなかったとき、いつも救いの手を差し伸べてくれた人がいませんでしたか?
そうです、先生が優しく(or厳しく?)、振り返りに付き合ってくれましたよね(笑)?
“次はこうしてみよう”とか“ここはこれがダメだったね”みたいな感じで。
スーパーバイザーがやっているのも、これと同じようなことなんです。
まずは担当するエリアの店舗を回ることからスタートします。
それぞれのお店を見ながら、ざっくりと経営状況を把握していく訳です。
ひと通りお店のことを把握できたら、今度は現場のトップである店長さんから相談を受けたりします。
ここでより具体的にお店の抱える課題であったり、現場の悩みを知っていくことに。
そして、ここからがスーパーバイザーの腕の見せ所です。
収集した様々な情報をもとに、お店の抱えている課題を解決するべく指導を行っていきます。
小売業界では、スーパーバイザーが変わればお店の業績も変わるといわれているんですよ。
いかに重要なポジションを担っているかが分かりますよね。
ちなみにこのスーパーバイザー、またの名を“フィールドカウンセラー”とも言います。
また分かりづらいですね(笑)。
僕の職場に元スーパーバイザーの同僚がいるので、彼(以下、S君)を例にしてみましょう。
S君はスーパーバイザー時代、さっき書いたような仕事をもちろんこなしていたそうです。
でも、実際にはあんなに堅苦しいものばかりではなく、世間話をして帰ってくることもあったんだとか。
S君のスタンスとしては、“指導員”というよりも“相談相手”として働いていたそうです。
何気ない会話をする内に店長さんと仲良くなって、普通なら言いにくいような相談をしてもらうことが狙いだったのかもしれませんね。
こうしてみると、たしかに指導員というよりは、カウンセラーの方がしっくりくると思いませんか?
最後にS君は、「業績が改善したときは、お店のメンバーとみんなで喜べるのが楽しかったです!」と笑顔で語ってくれました。
お花見も店舗出店も場所取りが命『店舗開発』
店舗開発の詳しい仕事内容を説明する前に、ちょっと通勤するときの道を思い出してみて下さい。
毎日歩く道沿いに、必ず目に入る建物ってありませんか?
一つあるな~と思っていたら、ちょっと進んだ先にもう一つ。
なんならオフィスの隣にもあるくらい。
なんのことかって?コンビニのことですよ!!!
コンビニって都心部・郊外を問わず、やたらとたくさんお店が並んでいますよね。
“あそこのローソン無くなっちゃったんだ~”と思っていたら、その場所にファミリーマートが入っていたりなんかして。
なんでこんなことが起こっているかというと、裏で活躍しているからです、店舗開発担当者がね!
2020年ともなるとだいぶ落ち着いてはきたようですが、少し前までは“出店ラッシュ”と呼ばれるほどに多くのコンビニが新店舗を出しまくっていました。
というのも小売の世界の中でも、スーパーやコンビニは店舗開発の重要性が極めて高いからです。
とりわけコンビニエンスストアでは、ライバル企業同士で出店先の場所取り合戦が行われるほどにね。
だから企業の中でも、店舗開発を行う人は責任重大って訳です。
たま~にですけど、“あのセブンイレブン、いつ見ても駐車場パンパンだな~”ってことありませんか?
あれ、僕が思うに、周辺の学校だとかオフィスだとか駅だとか、諸々の条件を考慮した上で店舗開発者が出店を決めていると思うんですよね。
この立地なら、これくらいはお客さんが来てくれるだろうって緻密な計算もされているのでしょう。
だからきっと新店舗が繁盛店になったら、その店舗開発を決めた人は社内で神様として崇められていると思います(笑)。
お花見もそうですが、立派な桜の下には人がたくさん集まってきますよね。
でもそれだけ場所取りって難しくなって、それこそまさに争奪戦。
ライバルたちの包囲網をかいくぐって場所取りに成功したら、そりゃもうヒーローですよ!
最先端を追いかけて世界中を飛び回る『バイヤー』
ふとテレビで見かけた便利グッズに“コレ欲しい!”と思ったことはありませんか?
その日の仕事終わりに寄り道して買いに行ったりしたことは?
何店舗か見て回ったけど、どこも売り切れ!最後のお店でやっと買えたー!
老若男女問わず、こういう経験ってあると思います。
ここで活躍しているのが、バイヤーという職種の人たちです。
テレビで見かけた便利グッズが流行っているのは、誰よりも早く目を付けたバイヤーの存在があってこそ。
“かゆい所に手が届く”そんな市場のニーズを見逃すことなくキャッチし、新商品を揃えていくのがバイヤーの最大の役目です。
ニーズをキャッチしたら、そのニーズを満たしてくれる商品を探し求めて飛び回ります。
それも日本国内のみにとどまらず、海外へだって行っちゃうことも!
そのガッツたるや、まさに流行のプロフェッショナルといったところでしょうか。
またバイヤーと聞くと今説明したように、“何かを買い付けてくる仕事”というイメージが強いかもしれません。
でも実はそれだけじゃないんですよ。
最近のバイヤーは、売り場やメーカーとコラボして商品開発に携わることもあるんだとか。
常に流行の最先端にアンテナを張っているバイヤーですから、そこから生まれてくるアイデアというのは企業にとっても眉唾物なのでしょう。
職域にとらわれることなく、流行の仕掛け人として活躍できるバイヤー。
食でもオシャレでも、何でも流行に敏感という方はチャレンジしてみるといいですよ!
小売業界ってアベンジャーズ
今回はここまで、販売スタッフ・スーパーバイザー・店舗開発・バイヤーについてご紹介してきました。
小売業界に対するイメージは変わったでしょうか?
僕は本記事を執筆しながら、“なんか小売業って各分野にヒーローがいっぱい…、アベンジャーズやん!”と思いました(笑)。
正直、そこまでカッコいい職種なのかな~と思っていたところもありますが、今は違います。
百貨店も専門店も、スーパーもコンビニだって、小売の世界で働く人たちはみんなスーパーヒーローです!
ぜひあなたも、ヒーローたちの仲間入りをしてみてはいかがでしょうか?